サッカーも昔と比べかなり近代化してきました。
サッカーに詳しい人なら、「○○監督の戦術が・・・」とか「最近の選手の特徴は・・・」などと昔との違いを語ることができるかもしれませんが、「サッカー界の近代化」の大きなニュースの1つとして、「VAR(ビデオアシスタントレフェリー)」の導入があります!
これは、レフェリーがより公平で正しいジャッジを手助けする仕組みとなっています。
一方で、目で追いきれないものをビデオという証拠を残すことによって、レフェリーたちの身を守る1つの手段にもなりうります。
というわけで今回は、サッカー界で1番厳しい仕事の1つである「レフェリー」について知ってもらいたいと思います!
これを見れば、サッカーの楽しみ方や、見方がまた少し変わっていくきっかけになるかもしれません!
目次
サッカーにおいて「レフェリー」とは?
マーティン アトキンソン
Martin Atkinson《主審》
1971年5月31日【48歳】
イングランド🏴出身元国際審判員
16歳の頃、ローカルチームの主審から審判人生がスタートした
プレミア界を代表するレフェリー
・2005-プレミアリーグ
・2006-2018FIFA選出
・他職業、教師 pic.twitter.com/tDK2mdTusc— 🍫サッカー(審判員)🍫 (@SoccerRefereeJP) January 26, 2020
サッカーは様々な人たちの仕事で成り立っています。
サッカーで花形といえばなんといっても「プレーヤー」ですよね!
みんな試合を見に来てますが、その試合を作り上げる主役はプレーヤーです。
ただ、サッカーだけでなくスポーツには、公平に試合を裁く第三者が必要ですよね。
それが「レフェリー」なのです!
特にサッカーにおいてのレフェリーは重要で、プレーヤーが試合を作ると思われがちですが、レフェリーが試合をコントロールしていると言っても過言ではありません。
もちろんサッカーは関わっている人たちで作っていくものですが、その中でもレフェリーは試合をいいものにすることも、ぶち壊してしまうこともできる唯一の存在なのです。
ちなみに日本では、「レフェリーが目立つ試合はいい試合とは言えない」と言われており、そう教わるようです。
しかし、試合をしているプレーヤーと同じ熱量でぶつかっていく必要があるため、一概にそうとは言えないことも事実です。
そして唯一中立の立場にいるため、どちらのチームが勝っても負けても味方が少ないこと。
これはサッカーを見る上でレフェリーへのリスペクトの1つではないでしょうか?
意外と知らないレフェリーの世界
フランチェスコ ファルロ
Francesco Fourneau《主審⚽️》
1984年7月11日【35歳】
イタリア🇮🇹出身の審判員・2014-2017 Liga Plo
・2017-Seria B
・2018-SeriaA
・他職業、ジムトレーナー pic.twitter.com/97GyKnzKQb— 🍫サッカー(審判員)🍫 (@SoccerRefereeJP) January 19, 2020
では、皆さんはレフェリーの世界を知っていますか?
「サッカーをやっていればできるでしょ」と思っていませんか?
そうです、大体はできるでしょう。ですが、サッカーやったことがある人ならわかるのですが、実はそんな簡単なことではないのです!
なぜなら、普通にサッカーをやっている人たちでは知らないことがかなりあるからです。
というか、ルールブックを選手は読みません。(笑)
なので、サッカーやってるからと言って知った気になってしまっている人たちは多いです。
ではどうやったらレフェリーが誕生するのでしょうか?
審判には4級~1級のランクが存在し、1級審判員の中から実績に応じて「Jリーグ担当審判員」に推薦してもらい、初めてJリーグで笛を吹くことができます。
さらにその中から実績に応じて「国際審判員」に推薦してもらい、登録が完了して初めて国際的な大会でレフェリーとして仕事ができます。
これらのすべての入り口である「4級審判員」は、各地で行われている「審判員資格認定講習会」を受講し、認定してもらいます。
実はコレ、誰でも受けれますし余程のことがない限り認定されないことはありません。
ですが、3級からは本格的にルールブックと向き合うこととなってきます。
なぜなら、「筆記試験」「体力テスト」「実技テスト」が存在するからです!
そして、日本のアマチュアリーグでは「3級以上の審判員が○名以上いること」というのが参加条件にもあったりするので、実は必要不可欠な資格だったりします。
それ以外にも20試合以上の実績が必要です。
そしてこの筆記試験が結構難しい!
ルールブックから出題されるので、しっかり勉強すれば問題ないですが、学校のテストのようです(笑)
そして2級以上の資格を取得するためには、各級でしっかり実績を積む必要がありますし、レフェリーとしての技術や体力が必要となってきます。
今Jリーグでレフェリーをやっている方々はこうやってレフェリーになったんですね。
実はサッカーの試合で一番走っているのはレフェリーなの皆さん知ってました?
具体的に何するの?
サッカー審判のフィットネス試験終了
75m 20秒以内のラン+25m 25秒以内のリカバリー32本
これは楽勝なんだけど、1つ上のクラスの75m 15秒以内のラン+20m 20秒のリカバリーは結構キツい
これを150m30秒+50m40秒で20本の時は楽にクリアできたのは何故なんだろう pic.twitter.com/ukB6U2kvR0
— 登山ときどきトレラン (@kennogu1961) December 9, 2019
では、サッカーの試合でレフェリーは具体的に何をするのでしょう?
まず、レフェリーは基本的に「主審(笛を持っている人)」、「副審(ライン際ではフラッグを持っている人)」2人、「第4審(交代やアディショナルタイムを表示する人)」の4人からなっています。
プロの試合ではこれに加えて、ゴール脇に1人づつ置く「追加審判」や記事の冒頭で述べた「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」がいます。
主審
基本的には審判員と協力し、試合を円滑かつ公平にジャッジすることに努めます。
試合運びだけではなく「試合前のタイムコントロール」や「試合後の報告書(各大会による)」など実際キックオフ以前や以後でももう仕事が始まっているのです。
副審
別名で「アシスタント・レフェリー」と呼ばれ、その名の通り主審の手助けをして試合の円滑かつ公平なジャッジを支えます。
時には主審がプレーヤーに言い寄られたとき、主審を守るために盾のようになることもあります。
ちなみに試合前の装飾品だったりスパイクのチェックはこの副審の仕事です。
第4審
選手交代やアディショナルタイムを会場に伝えることや、ベンチ側を見守るのが主な仕事です。
さらに主審または副審が肉離れなど仕事の続行が不可能と判断したとき、この第4審が代わりに入ります。
追加審判
これは必ずいるわけではありませんが、2013年からちゃんとルールに追加されている審判員です。
ゴール脇にいるので「ゴールレフェリー」と呼ばれることもあります。
簡単に言うと、ゴールが決まったかどうかを判断するテクノロジー「ゴールライン・テクノロジー」の代わりです。なんでも導入に莫大な費用が掛かるからとかなんとか。
ゴールの判定以外にもペナルティーエリア内や付近での重要な見落としをなくすため、そこのジャッジも仕事です。
VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)
これはいくら素晴らしいレフェリーでも人間なので、判断が難しいプレーや死角で起きた重大なモノを見逃さないために導入されたものです。
実はコレ、主審がもう一度見て判定しなおしているだけではなく、ビデオ・アシスタント・レフェリーから「助言」をもらっているのです。
このビデオ・アシスタント・レフェリー、元トップレベルの審判員が必要な訓練を受けて初めてなることのできるポジションで、かなりすごい人たちなんです!
こういった審判たちが協力して試合をコントロールしているんですね!
サッカーを裁くことの難しさ
西村雄一
Nishimura Yuichi《主審⚽️》
日本🇯🇵出身の元国際審判員
日本サッカー審判界のトップレフェリーであり、何度も優秀審判員賞を受賞している
10年南アフリカW杯、14年のブラジルW杯選出審判員でもある
・1999-1級取得
・1999-Jリーグ担当
・2004-2014、FIFA選出
・現在、46歳 pic.twitter.com/4sOe9SlEVd— 🍫サッカー(審判員)🍫 (@SoccerRefereeJP) September 7, 2018
日々進化しているサッカーの現場。
それに応じてレフェリーたちも進化しているんですね。
VARを始めとするテクノロジーを導入しているあたりに象徴されますが、それだけサッカーは自由なものでルールブックだけでは測れない「生き物」のようなものなんです。
なので、レフェリーは人によって判断は変わってきますし、機械には絶対できないポジションであることは確かだと思います。
だからこそ、サッカーの面白さがありますし、そこにドラマがあるのです!
その1つの判断で試合を左右しかねないレフェリー。
試合の中にレフェリーが存在することはあまりに当たり前ですが、そのレフェリーが生き物をコントロールしようとしたときにサッカーが窮屈になってしまうことを知っていたらサッカーを見る目がまた増えるかもしれませんね!