正月三が日は過ぎ、ごろごろできた年始休暇も今は昔……
お休み気分をすっきり切り替えるためにも、ここはひとつ何かしらのきっかけがほしいところです。
そんな気分を知ってか知らずか、しれっと用意されているこの時期ゆかりの行事といえば……
— 最高に美味しい料理bot (@oishifood_bot) December 29, 2019
はい、1月7日の七草粥(ななくさがゆ)ですね!
お節や雑煮など、元旦から続くお正月料理シリーズの〆ともいえる国民的な行事食です。
とは言いつつも、最近では食べる家庭が全体の4割程度といわれるこの料理。
年齢層によっては『そもそも七草粥を知らない』ということも珍しくなくなってきているようです。
美味しいの?
材料は?
そもそもどんな料理なの?
そんな七草ビギナー向けに、今回は七草粥に関する様々な情報や知識を調べていきたいと思います!
目次
七草粥とは

七草粥は名前のとおり七草を具材としたお粥料理です。
七草には「春の七草」と「秋の七草」がありますが、七草粥は前者を使ってつくります。
その内訳は下記の七種。
・芹(せり)
・薺(なずな)
・御形(ごぎょう)
・繁縷(はこべら)
・仏の座(ほとけのざ)
・菘(すずな)
・蘿蔔(すずしろ)
普段あまり聞かないものばかりですが、これらは古い呼び名で現代では別の呼び方が定着しています。
たとえば「なずな」は「ぺんぺん草」、「すずしろ」は「だいこん」といった具合ですね。
これらの野草と米・塩のみのシンプルな塩粥を1月7日の朝に食べる、というのが七草粥の基本的な形です。
ただ、実際には地域ごとに食べ方は様々で、場合によっては七草の内訳が全く違うというケースも。
これは流通の発達した現代とは異なり、昔は地域により入手できない食材があったことに由来します。
別の食材で代用していた名残がそのまま残り、結果その地域独自の文化として定着したのでは、ということですね。
この記事ではごく基本的な七草粥をご紹介していますが、もしご興味がある方は各地ごとの事情についてぜひご自身で調べてみてください。
なぜ1月7日に食べるのか?2つの視点から見る七草粥の意味
文化的な意味

1月7日は別名「人日(じんじつ)の節句」と呼ばれます。
古代中国では1月1日から各日ごとに占いを行う風習があり、7日は人を占っていたことから「人の日(人日)」とされていました。
唐時代の中国ではこの日に無病息災や立身出世を願い、7種の野菜を入れた汁物を食す習慣があったといいます。
いっぽう日本では「新しい生命力をいただく」ための年始行事として「若菜摘み」なる野草採集が行われていました。
人日の風習が日本に伝わった際、元々あった若菜摘みの風習と混ざりあい、結果はじまったのが「七草粥」という今日まで続く伝統です。
日付まできっちり指定されているのにはこうした背景があったわけですね。
科学的な意味

七草粥に縁起物としての側面があることは先に触れたとおりですが、栄養学的にも七草粥を食すことには様々なメリットがあります。
・芹:ビタミンA・ビタミンC・カルシウム・リン
・薺:ビタミンK・カルシウム
・御形:ミネラル
・繁縷:ビタミンB群・カルシウム・カリウム
・仏の座:抗酸化物質
・菘:ビタミンC・カロテン
・蘿蔔:ビタミンA・ビタミンC・食物繊維
簡単にあげてもこれだけの栄養素を含んでおり、整腸や解熱、高血圧防止や胃炎の緩和など多くの効果が期待できます。
元旦からの数日間は重めの食事も多く胃腸に負担がかかりがち。
内蔵を休めるという意味でも、七草粥はこの時期にぜひ取り入れたいメニューと言えるでしょう。
行事食とはいえ料理は料理!気になるお味は……?

ここからは私見が入りますが、正直にいうと「微妙」です。
もちろん味覚や調理法はそれぞれなので一概に言うことはできません。
そのうえで微妙といったのは
・米と塩と野草のみなので調味の幅が狭い…というかほぼない
・独特の草っぽさ、青臭さがある(特にホトケノザ)
・苦い(特にナズナ)
といった理由があるからです。
苦さや青臭さに関しては好みが分かれる部分でしょうが、すくなくとも万人受けは厳しい味……。
誤魔化そうにも材料がシンプルなので味変のしようがありません
。
食べられないということは全然ないですが「7日以外も食べたいか」と聞かれたら「う~ん…」となる方が多いのではないでしょうか。
美味しく食べたい場合は、基本形からは外れてしまいますが、ある程度のアレンジがやはり必須かと思います。
というわけで、次項では七草粥を楽しく食べるためのいくつかの方法を見ていきましょう!
お子さんも安心!七草粥をおいしくいただく3つの方法
リゾットにする
リュウジさん(@ore825)の七草リゾット
七草粥が嫌いな主人もこれなら食べられる!と好評でした~!
ちょいちょいレシピ作らせて頂くけど本当美味しい☺☺☺ pic.twitter.com/tXREcIz4cT
— にっぽむ (@bububuspring) January 7, 2019
おしゃれな見栄えがグッド!
コンソメの風味、チーズやクリームのまろやかさが七草の青臭さをうまく隠してくれそうです。
お粥ではなくなっちゃいましたが、いまの食卓事情を考えると時代に即した変化といえるかもしれませんね。
お菓子を混ぜる
この時期ならではのメニュー「七草チキがゆ」はいかがですか?
くだいたチキンラーメンをパラパラするだけ!
つまみ食いしたら(ポリポリ)
とまらなく(ポリポリ)
なりますよね(ポリポリポリ)・・・。 pic.twitter.com/MSDyp4yspM— チキンラーメン ひよこちゃん (@nissin_hiyoko) January 7, 2015
意外性ある組み合わせですが、お手軽さといい大いにアリだと思います。
食感が楽しくなりますし、噛みごたえが出るので目覚ましにも適してますよね。
たいがいの料理はカレーかチキンラーメンを入れておけばなんとかなります。
プロに一任
明日は、七草の節句🌿
今年も全国のSoup Stock Tokyoで
一日限りで #七草粥 をご用意します。瀬戸内海でとれた天然真鯛でだしを取ったお粥に「春の七草」が入っています。
小皿の生姜ジュレを加えて味の変化もお楽しみください。今年もどうぞ健やかにお過ごしください。https://t.co/YSs1ADKkpL pic.twitter.com/z4xWtsI4nD
— スープストックトーキョー【公式】 (@SoupStockTokyo) January 6, 2019
餅は餅屋!
何も自分が調理することにこだわる必要はありません。
美味しいものが食べたいのなら、美味しいものを作る人にお願いすればよいのです。
例年7日限定で七草粥を出してくれてるスープストックトーキョーさん。
今年も期待しています……!
※本稿執筆時点では今年の販売に関する公式情報は出ていません。
まとめ
七草粥はクセが強めではありますが、逆にいうと他にはない独特さを味わえる料理でもあります。
一年に一度だけということは、一生で数えても食事機会は多くて100回程度。
そう考えると食わず嫌いでチャンスを逃すのはなんだかもったいなく思えてこないでしょうか。
今回の記事をきっかけに「今年は食べてみようかな~」という方がいてくださったら幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました!